JOURNAL

竹田でくらす
「竹田で暮らす」をインタビュー
首藤文作さん

繋がりと感謝を大切にする情熱的なリーダー

昨年9月に大改築を行い、リニューアルオープンした長湯温泉の『宿房 翡翠之庄 The Kingfisher resort』。今回はこちらの宿で専務を務めている首藤文作さん(32)に話を伺って来ました。宿を守るという使命とともに、家族のようなスタッフへの感謝を忘れず、より良い環境を作っていこうと邁進している首藤さん。“あなたは僕のことを嫌いになるかもしれないけど、僕は嫌いにならない”という彼が使う口説き文句には、一度結んだ縁はずっと大切にしていくという、“絆”を大切にした生き方を垣間みることができました。

■スタッフはチームであり家族
26年前、首藤さんの父であり、現在のオーナーが創業した『宿房 翡翠之庄』。現在はお父さんの背中を追って宿の運営を行なっている首藤さんですが、元々の夢は全く違ったと言います。

「『翡翠之庄』という旅館を父が経営していく中で、実は僕は高校にいかず海外に行ってボクシングしようとしていたんです。そんな時、縁がありアマチュアボクシング日本代表の監督がいる高校に誘われて指導してもらいました。その後は東京の大学に進学して、東京でスポーツ事業と観光事業の会社を起業しました」。

自分の会社を持ちながら、宿を手伝うために5年前に竹田に舞い戻って来た首藤さん。戻って来た当初は相談相手もいないままに、周囲から「引っ張っていってほしい」という期待をかけられ、投げやりになった時期もあったそう。そんな時に彼が目指したのは仕事は1人ではなく、“チームで作り上げる”ということ。そのために大切にしていることは対話だと言います。

「スタッフみんなそれぞれの考え方があって、それぞれがお客様に喜んでもらうにはどうすればいいかっていうのも自分たちなりに真剣に考えてくれているんです。そのことを知ってから、僕はいつでもみんなの気持ちを聞くようにしました。良い事も悪い事もいつでも話をしてきてくれって。年下でも年上でも関係なく聞いてあげることで、 “みんなで作り上げる”という感覚が生まれるんです。ここには幅広い世代の人たちがいるんですけど、垣根はない。自分たちはチームでファミリーなんです」。

オーナーの息子でもあるため、言いにくいこともあるだろうと思う時には「ラグビーのタックル並に強引に踏み込んでいきましたね(笑)」と話す首藤さん。週に2日は当直して、夜にはスタッフとお酒を飲みながら楽しんだり、今後のプランを真面目に話したり。一人ひとりと向きうことで信頼関係が生まれ、強いチームを作り出しました。今の『翡翠之庄』の雰囲気を作っているのは、積極的にコミュニケーションをとる首藤さんの力があってこそ。そして会話を大切にするのは、恋愛面においても同じだと言います。

■恋愛に求めるのはお互いに高め合える関係性

「基本的に首藤文作という人間を分かってもらう前に、相手のことを分かりたいんですよ。「いいな」って思ったと同時に「どんな子なんだろう」っていうのを聞きだしたい。自分がアピールするんじゃなくて、相手がアピールしたくなるような雰囲気を作ってあげるようにしています」。

仕事同様にオープンマインドでいることで、相手に話をしてもらいやすい空気感を作るという首藤さん。そんな彼が「いいな」と思う女性について聞くと、過去に一番印象に残っている方の話を教えてくれました。

「大分に帰ってきて一番印象に残っている年上の女性がいるんですが、ダンスや舞台の演出をしている自分の生き方を持っている方でした。その人はダンスのために親や先生の制止を振り切って、学校を辞めて沖縄まで行ったこともある人なんです。そこで自分でちゃんと形を作って大分に戻ってきて、自分のスクールやイベントをしているんです。それを聞いてすごく胸を揺さぶられたというか。僕も猪突猛進型なので、類は恋を呼ぶみたいな(笑)。お互いに尊敬し合っているし、別れても未だに仲はいいんですよ」。

家業を継がなければいけない彼と、夢を追いかけたい彼女との生き方の違いによって別々の道を歩むことになった2人ですが、依存するのではなく、お互いに独立して高め合える関係性は彼にとって理想だったのだそうです。
bunsaku

■理想の家族は“首藤家”
今年33歳になり、35歳までには結婚したいと話す首藤さん。出会いについても積極的に探すようになったそう。結婚相手について周りからアドバイスをもらっているそうです。

「周りの友人から言われるのは、僕の斜め後ろくらいから温かい目で「この人はしょうがないなぁ」って言ってくれるような人が良いよって。精神的に僕より年上の人で、どこか一つでいいから、僕より冷静な部分を持っているといいみたいです。あとは自然体でいれる相手」。

過去には出会ったことがないタイプなため、今は「何が縁になるかわからないから、とにかく全部掴んでます!」と理想の結婚相手探しに積極的に動いている首藤さん。早く結婚をしたい背景には、理想の家族像がすぐ近くにあるからだと言います。

「僕が5年前大分に帰ってきたときなんですけど、両親に「親孝行しようと思う」と伝えたら、父から「親孝行する暇があるなら、スタッフ孝行しろ」と言われたんです。それを言われたときに改めて尊敬しましたね。この人たちが親で良かったなって」。

「僕は兄弟にとってお父さんみたいだ、って言われるんですよ。妹も弟も可愛くて仕方なくて。弟は男としてライバルとしてみているところもあったりするんですけど。首藤家は本当に仲良い家族だと思います。だからこういう家庭を築きたいなと思います」。

インタビュー中に何度も出てきた家族のエピソード。尊敬できる両親やライバルでもある兄弟がいることは、首藤さんにとってとても刺激になっているのです。そんな理想の家庭がすぐ側にあることで、自身も結婚して家庭を持つということが明確にイメージできているのかもしれません。

■支えてくれる人たちのお陰で今がある。
首藤さんとのインタビューでは、家族の他に、もう一つ繰り返し出てきたキーワードがありました。それは「感謝」という言葉です。

「26年間『翡翠之庄』がみなさんのお陰でここまでこれて、家族がいて友達がいて、仕事をする上でも何でも話せて「一緒にやりましょう!」って言ってくれる子たちがいる。自分一人でできることなんてたかが知れているし、みなさんのお陰で僕は生かされている。本当に感謝しかないんです。みんなは褒めてくれるけど、それは僕がすごいんじゃなくて、僕の周りで一緒にやってくれる、支えてくれている人たちがすごいんです。この気持ちを忘れてしまったらバチが当たると思います」。

彼がすごいのは、「自分の力だけでは何もできない」と認めてしまえること。『翡翠之庄』を引っ張っていく原動力であることは事実なのに、常に周囲への感謝の思いと気遣いを忘れないのです。
さらに興味深かったことは、「一度結んだ縁は簡単に切らない」という、彼なりの人づき合い。

「僕は男女問わずなんですけど、“あなたは僕の事を嫌いになるかもしれないけど、僕は嫌いにならない”んです。一緒にやっていきたいなって思う人に言う口説き文句なんですけど。僕を切る時はそれ相応の覚悟を持ってください、じゃないと僕は切れませんよって」。

縁を大切に、そして感謝の思いを忘れない謙虚で誠実な姿勢。これこそ彼の周りに多くの支援者が集い、そして彼を「助けたい」と思ってくれる人が集まる所以なのかもしれません。

親のことを尊敬し、兄弟の夢を応援し、家族のようにスタッフのことを温かく見守り、多くの友人にも慕われる首藤さん。
たくさんの人に愛される首藤さんは、仕事に熱く、そして周囲の人々への敬意と感謝を忘れない義理人情に厚い男でした。

最後に文作さんにリニューアルオープンした『宿房 翡翠之庄 The Kingfisher resort』(http://www.s-kawasemi.com/)を案内してもらいました。
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